君が君が大好きだから

「サプライズにしよう!」
ダンッと机を叩いた森山は、目の前にやる気なく机に項垂れている相談相手であり親友(悪友?)である二つ年下の少年に語りかけた。
「俺が笠松をどうにかするから、お前はその間にケーキをだな……」
「森山さんじゃ、バレバレだと思うッスよ」
俺が笠松さんを呼び出しますよ、と意味ありげに笑う黄瀬に、森山は唇を突き出した。
「俺の方が得意だし!俺と笠松の距離舐めんなよ?」
「あーはいはい、分かったスよー。勝手にやれば良いじゃないッスかー」
「何でお前そんなにやる気ねぇ訳?」
先程からグダリと頭を下げたままの黄瀬に、森山は眉を顰める。普段なら、「センパイ第一ッス!!」みたいなヤツであるのに。
「……だって、センパイ今週末大学とか見に行くから暇じゃないって言ってたッス……。どうせ、俺達がそんな事やったって疲れさせるだけッスよ……」
「ない、それはない」
「森山さんのその根拠のない自信、一体どこから出てくるんスか」
「笠松は、お前が好きで、俺の事も受け入れてくれて!そんな俺達が自分の誕生日を祝ってくれるんだから、嫌な訳、無い!!!!」
「そうッスかあ……」
よし、やるぞー!と両手を掲げて叫ぶ森山に力無くおーと手を挙げる黄瀬。波乱万丈な日曜日がやって来るのは明白であった。

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