『黒子君、聞こえてる?』
「はい、聞こえています」
相田准将から直接、無線が入ってくる。これも、僕のプランでは想定済みだ。
『予定通り、火神君が突入するわ。黒子君はその間に「例のモノ」を入手して』
「了解しました」
僕の役目は、この組織が極秘に入手したと言われる隣国の最新兵器のデータの入手と僕達の軍の内部情報の漏洩を防ぐ事だ。
相田准将はしっかりね、と僕に告げると通信を切った。これからは、通信を傍受される可能性がある為、無線は使えない。僕はサバイバルナイフを片手に、施設への侵入へと向かった。
昨日まででこの施設の構造は全て頭に入っている。勿論、人数も。
僕は、警備兵の監視を掻い潜り、僕は裏口から入り込む。最も警戒の薄いルートを頭に浮かべながら、目標地点へと向かう。機密資料がある部屋は流石に警戒が堅い。僕は予め用意しておいたワイヤーを排気口へと向けて射出する。
音を立てない。誰にも気付かれてはいけない。それが僕のモットーであり、命でもある。
僕は排気口の螺子を残さず外したら、素早く屋根裏に入り込んでまた元に戻す。小柄であった事がこの時ばかりは役に立つ。
ス、ス、ス、と目的地点へ向かう。
―予想以上に人がいるんですね……。
チラ、と下を覗くと、小銃を片手に歩く人間が五人。それから金庫の前に明らかに屈強そうな人物が立ちはだかっている。
どうしようか、と考えていると、爆音が左方向から聞こえる。どうやら、始まったらしい。とりあえず、この場で相手の行動を監視しながら、隙を狙う事にしよう。
僕は屋根裏でジィッと爆音を聞きながら、待つ事にした。
「行くぞ、お前ら!」
俺の号令と共に、兵が予め決めていたフォーメーションで攻め入る。
突然の出現に、相手は動揺を隠せていない。
―そんなんじゃ、負けるぜ?
俺は自陣が造り出した道に跳び込み、ナイフで相手の急所を確実に当てていく。
「このまま先に進むぞ!」
「はいっ!!」
俺達の被害は最小限だ。なかなか骨のあるヤツばかりで、俺はフ、と思わず笑みを零す。
―一個小隊だけで出来るだけ進め、だって?燃えるじゃねーか!
俺は次々と現れる敵陣の軍勢にマシンガンをぶっ放す。散り散りになった敵勢にすかさず攻撃をかける。
「俺達だけでもやれるって見せてやろーぜ!!」
クイ、と手で合図をして俺達は先へ進んだ。
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